ウクライナを代表する料理、ボルシチ。
世界三大スープの一つと称されるほどになったボルシチ。
2022年7月1日にユネスコの「緊急保護が必要な無形文化遺産」に登録されました。
料理名は、一説によると「ボルシチウニック(борщівник)」という植物に由来し、古い時代には発酵させたものが材料として使われていたんだとか。


ボルシチは「赤」が連想されがちですが、明るいベージュ色、淡いピンク色、ルビー色、深紅色から、エメラルドグリーンまで、実は色も種類も様々なです。ビーツを入れずにキノコで出汁を取ったホワイトボルシチなども。
入れられる具材は地域や季節によっても実に豊富です。乾燥熟成された魚や燻製洋ナシ、クランベリー、サワーチェリーが入れられたり。結婚式には雑穀、クリスマスにはプラム、キノコ、ニシン等を詰めたヴシュカ(ワンタンのようなもの)が追加されたり。レシピは家庭の数ほどあると言われています。
ボルシチは1798年の近代ウクライナ文学の基盤となったイヴァン・コトリャレーウシキーの『エネイーダ』にも登場するほどウクライナ人に愛されている1品です。

ボルシチにまつわることわざ
絶賛されたボルシチは庭に捨てられる。
Хвалений борщ надвір виливають.
意味:自慢する人ほど、なんの役にもたたない。
ウクライナ・カフェ「クラヤヌィ」の ランチ
本物のボルシチが食べたいと思う方は、ウクライナ・カフェ「クラヤヌィ」に来てください。
ウクライナ人の手で作られる本場のボルシチを味わえます。
皆様のご来店、お待ちしております。
ウクライナの伝統的なボルシチのレシピ
家庭ごとにレシピが異なると言われるボルシチですが、ここではウクライナの家庭で広く親しまれている伝統的なレシピをご紹介します。ビーツの鮮やかな赤色と野菜の甘みが溶け合った、心も体も温まる一皿です。
材料(4〜6人分)
- 牛肉(すね肉や肩肉など)— 500g
- ビーツ(生)— 中3個(約400g)
- じゃがいも — 中3個
- キャベツ — 1/4個
- にんじん — 1本
- 玉ねぎ — 1個
- トマトペースト — 大さじ2
- にんにく — 3片
- レモン汁または酢 — 大さじ1
- ローリエ — 2枚
- 植物油 — 大さじ2
- 塩、こしょう — 適量
- ディル(生)— 適量
- サワークリーム — 仕上げ用
- 水 — 2.5リットル
作り方
- ブイヨンを作る:鍋に水2.5リットルと牛肉を入れ、強火にかける。沸騰したらアクを丁寧に取り除き、弱火にして1〜1.5時間煮込む。肉が柔らかくなったら取り出し、食べやすい大きさに切っておく。
- ビーツを準備する:ビーツは皮をむき、細切り(千切り)にする。フライパンに植物油を熱し、ビーツを中火で炒める。トマトペーストとレモン汁を加え、蓋をして弱火で15〜20分蒸し煮にする。こうすることでビーツの鮮やかな赤色が保たれる。
- 野菜を切る:じゃがいもは一口大に、キャベツは細切りに、にんじんは細切りに、玉ねぎはみじん切りにする。
- 炒める:別のフライパンで玉ねぎとにんじんを植物油で炒め、しんなりするまで中火で5〜7分ほど加熱する。
- 煮込む:ブイヨンにじゃがいもを加え、中火で10分煮る。次にキャベツを加え、さらに5分煮る。
- 合わせる:炒めた玉ねぎ・にんじんと蒸し煮にしたビーツをブイヨンに加える。切っておいた牛肉を戻し入れ、ローリエを加えて10〜15分煮込む。
- 仕上げ:にんにくをすりおろし、刻んだディルと一緒に鍋に加える。塩、こしょうで味を調える。火を止めて蓋をし、15〜20分ほど蒸らす。
- 盛り付け:器に盛り、サワークリームを添えて召し上がれ。パンプーシュカ(ウクライナのにんにくパン)や黒パンを添えるとより本格的に。
ポイント:ボルシチは作った翌日がさらにおいしくなると言われています。冷蔵庫で一晩寝かせると、味がなじんで深みが増します。