【キーウ小児科病院】寄付金使用用途のご報告

オフマディト小児科病院を支援させていただきました

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2023年7月8日、ロシア軍によるウクライナ各地への攻撃により、キーウにある「オフマディト国立子供病院」が甚大な被害を受けました。「Охматдит(オフマディト)」という名称は、ウクライナ語で「охорона материнства та дитинства(母と子供を守る)」という意味を持つ、小児医療に特化した重要な施設です。

この悲惨な事態を受け、NPO KRAIANYは緊急支援のための寄付金を募りました。皆様の温かいご支援により、合計1,451,400円もの寄付金が集まりました。心より御礼申し上げます。

集まった寄付金のうち70万円は、現地パートナーである善意団体GURTUMを通じて、病院の瓦礫撤去作業や内装修理に必要な作業部品の購入に充てられました。GURTUMは被害直後から迅速に行動を開始し、窓の修復作業などに尽力しました。

オフマディト国立子供病院の被害は予想以上に深刻で、他の多くの団体からも支援の手が差し伸べられました。刻一刻と変化する現地のニーズを把握し、適切に対応するためにNPO KRAIANYのメンバーが直接ウクライナに赴き、現地調査を行いました。

現地訪問では、現場で働く医師に案内いただき、実際に攻撃を受けた病院の被災箇所を視察し、被害の実態を目の当たりにし、攻撃直後の緊急対応や現在直面している課題についての詳細なヒアリングを行いました。

攻撃当日、病院は緊急患者以外を退院させ、数百人に上る重症患者を別の病院へ搬送する必要に迫られました。特に、ECMOなどの生命維持装置を必要とする患者は、電力供給の停止により急速な搬送が必要となり、ロジスティクスの対応に追われました。同時に、病院内で低温保存を必要とする献血血液や骨髄液を守るため、手動で病院の別の部分に移動したり、発電機を使用するなどの対応が行われていました。

攻撃後、世界中から多くの寄付金が集まり、建物の再建は他の団体によってすでに約束されていますが度重なるインフラへの攻撃による電力供給不足で、貴重な輸血用血液や骨髄液が失われる危険性が高まっています。

医師からは、「他の団体に輸血用血液や骨髄液の保存に不可欠な電流調整器を依頼しているが、まだ返事がない。この問題の解決に向けて支援をお願いしたい」との切実な要請があり、以下の文面での要請を頂きました。

NPO KRAIANYは、この要請を真摯に受け止め、皆様からお預かりした貴重な寄付金を1台あたり25,600UAH(8万7千円)のPowerWalker VFI 3000 TGを合計5台、92,400UAH (31万4千円)のPowerWalker VFI 6000RT LCDを購入し、当協会担当者立ち合いのもと病院へお渡しさせていただきました。

オフマディト国立子供病院の一日も早い機能回復と、ウクライナの子どもたちの命を守るために、今後も支援活動を続けてまいります。

引き続き皆様のご支援、ご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。